2003/05/12 (月)

山あいで互いに燃えあう日

この仲間よくツルむし、事あれば全国から集い合います。天気が良いと「やっぱりね み魂が守っているんだね」土砂降りとか不都合が生じると「いいさ そのうち大地に眠る声が又私たちを応援してくれるよ」と納得し合うのです。

2002年8月中国東北地区開拓団慰霊の旅の時出会った仲間たち。20歳〜80歳代の平均年齢は68歳くらいでしょうか。今年のGWは新潟 長野 東京から慰霊団団長さんの故郷に”地域が紡ぎ続ける豊かな文化の絵巻”として230余年前から伝承されている大鹿(おおしか)歌舞伎見学ツアーを組みました。そう、何度目の再会をした事になりますか!

都心では葉桜からつつじの季節へと移ろう頃 ここ伊那谷に在する赤石山脈の麓八百数十メートルの大鹿村は新緑の真っ只中。村の象徴赤石山は幾筋もの雪模様を残しています。胸突き八丁の坂に「もう いいよ」と言いかけ登りきると、そこに開ける棚田のような田んぼや白みがかった青磁色の河川。「ワアッ!団長さんの青春が今なお息づきルーツがこの田に川に・・・ですね」
村が近づいた時から気づいていましたが80歳の団長さんの声が頬が 艶っぽく輝き始めていたのです。

山又山の太古から互いに手を取り合って生きていかねばならなかった中で生まれた農村歌舞伎。酒屋のお姉さん、役場の職員、水道工事屋さん、大工職人と村人がこぞって当日の千両役者。御ひねりが喝采のなかとびかい神社の境内は舞台と観客が”互いに燃えあう日”となりました。

4時間の見物終了の頃 仲間の誰言うともなく「よかった、よかった。最後までみ魂が守ってくれて」と例の声が聞こえてきたのは勿論です。




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