2003/08/04 (月)

頓田(とんた)の森

福岡県甘木市に帰省中です。30日は公民館主催「出会いの中で忘れられない人たち」と題して2部形式の講・公演をしました。実家から車で10分くらいの所に立石地区があります。そこには忘れられないイヤ”忘れてはいけない子供達・場所”があります。

今は「平和花園」として保存されていますが通称「頓田の森」ーーー長年訪れたかった願いが今夏・・クマ蝉ひっきりなしに鳴く午後・・かないました。十数年前の大型台風で森の長老ともいうべき古木シイの木は朽ち果てました。でもこの木は五十八年前の三月二十七日の事を決して忘れてはいないと思います。

・・・・あの日。明日から春休み。戦時下でも子供らにとっては楽しいお休みです!修了証を校長先生から受け取り終えようとした11時頃、空襲警報がーーー帰り支度もそこそこに訓導(先生)を先頭に1〜6年の児童31名がお互いに守り合いながら集団下校を始めました。

何度も児童の頭をかすめ空気を震わし地鳴りを促す爆発音。その時この世の終焉を思わす爆弾の一発が炸裂!!・・・・こともあろうに逃げまどう児童が身を隠した「頓田の森」に〜〜阿鼻叫喚

この事は誰もがずっと語りたくありませんでした。語れなかったのです。ただシイの木はそのおおきな幹と枝葉を精一杯広げ、いたいけな児童の命の霧散を憤り悲しみ訴え続けました。

30日夜はこの地区の方々が大勢見えました。 合掌
       (福岡県甘木市にて)



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