2003/08/06 (水)

僕の手ついとると・・・

「平和授業」で久しぶり小学校3〜6年生の前に出ました.三奈木(みなぎ)小学校は母の実家の前。子供の頃休みのたびに訪れては従姉妹らと遊びまわった私の心の原風景の地でもあります。

「川に飛び込みパンツ1枚で犬かき泳ぎをして・・・」と私。
「エッ!うッそぉ!!」
体育舘中が笑いの渦。さあ今の時代の子供に「頓田の森」のお話がどこまで届けられるか、耳を貸してくれるか?

・・・・爆撃のあと泥まみれでよろよろしながらも克己君は仲良しの悟君を探しに森へ。パックリ真ん中から折れたシイの木の陰からかすかな声がしました。「センセー、僕の手ついとると〜」
「おお・・悟か!ここにいたのか。ついとるぞ!手はあるぞ!」
「そうね・・手が付いてないと兵隊さんの試験が受けられんから」悟君は虫の息でそういうと安心したように目を閉じようとします。「目を開けんね!!悟!お母さんが来るよ。あけとかんね!!」先生と克己君はあらん限りの声で力で悟君を励まします。その夜悟君は”兵隊さんになる”とうわごとを言いつつ死にました・・・・

フト気づくと3〜4年生の女の子が身じろぎもせず私を凝視。その目が潤んでいます。私も克己君、悟君になっていました。
話がすみ渡り廊下を校長先生と歩いていると「あの森の事は先生方がずっと苦しんでいらした事を聞いておりましたので・・・思い出されて辛くて」といい続けられました。先生は生徒を、親は子供を、上級生は下級生をーーーみんながかけがえのない命を守るのに必死でした。

絶対に許せない不条理な戦争は「核」という形で今もなおこの地球上で!!

三奈木小学校のみなさん、出会えて嬉しかったですよ。




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