2004/09/16 (木)

会えるものなら

吾亦紅(われもこう)が やっと吹き始めた秋風のなかで揺れています。

すっかりこの欄にご無沙汰で気づくと9月も半ば。大変だ〜〜と心の中で書きダメしていたものを引っ張りだしますが、きっかけがないともう古くなったり、時期はずれだったりです。

16日の毎日新聞朝刊に佐世保の同級生(11歳)殺害の審判に対して被害者の父上が手記を寄せていました。
・・・・「今年のクリスマスは少し楽に迎えられそうだよ。さっちゃん(被害者の名前)がサンタさんに”お母さんの声をもう一度聞かせて≠ニ頼んだからねというのを聞いて父さんは困った。今は二人一緒だね。今年は父さんが”2人の声をもう一度聞かせて≠ニお願いしようかな」・・・・** さっちゃんの母は3年前胃がんで死亡。

写真の「ともちゃんのおへそ」は布で作成されたお人形。
戦争中、満州は長春での実話。ともちゃんたちは親を失し中国の収容所で日々過ごした。
夕方になると 収容所の庭の、棒切れだけのお母さんお墓の前でダブダブの上着をたくしあげ手を合わせたあとブツブツ何か言っているともちゃん。

3つのともちゃんに他のお兄さん孤児が聞きました。
すると「おへそを見てると死んだお母さんに会えるんだよ。おへそでお母さんとつながっているからそこにお母さんの顔が写るの!そういって僕のお母さんは死んだんだから・・・・」

サンタさん おへそ を通じて母を恋うる子供たち。

今日も大人の身勝手から起きた子供たちの事件がTVで。
月が冴え冴えとした9月。だから私はせめてあの世界で「どうか幸せでいてね」というしかありません。     

〈写真はおへそを見てる”ともちゃん人形=j







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